ソウル・城北洞（ソンブクトン）にある「カフェ 선잠（Seonjam）」は、ちょっと特別な世界観を感じられるカフェです。
名前の由来は韓国の伝統行事「선잠제（蚕を守り、豊かな繭を祈る祭り）」から。
扉の取っ手やゲートの装飾、インテリアの細部にまで“蚕（かいこ）と絹”をイメージしたデザインが施され、入った瞬間から異空間に迷い込んだような気分にさせてくれます。
店内は、アートギャラリーのような洗練された雰囲気。
ソファや照明、器までもがテーマに沿っていて、写真映えはもちろん、ゆったりと感性を刺激してくれる時間が流れます。
人気のメニューは「뽕잎슈페너（桑の葉シュペナー）」や「피치ベリーアメリカーノ（ピーチベリーアメリカーノ）」など、ここでしか味わえないドリンク。
「뽕잎팥マドレーヌ（桑の葉と小豆のマドレーヌ）」などのスイーツもおすすめです。
「선잠（Seonjam）」の魅力は、ドリンクやスイーツだけではありません。
店内にはオリジナルの雑貨や香りアイテムも並び、カフェという枠を超えて“ライフスタイルブランド”の世界観を感じられます。
特に人気なのが、オリジナルのディフューザー＆フレグランス「묘향(妙香)」。
自然の香りを大切にした調香で、日常に心地よい癒しをもたらしてくれます。
シンプルで洗練されたボトルデザインは、インテリアのアクセントにもぴったりです。
ソンジャム（선잠）がとどまる場所、カフェ 선잠。
古くからソウル・城北洞に位置する「선잠壇（ソンジャム壇）」では、祖先たちが養蚕の豊作を祈る祭礼「선잠제」を執り行っていました。王妃は自ら桑の葉を摘み、誠意を込めて蚕の豊作を祈願し、臣下たちもまた誠心誠意で養蚕の繁栄を願い、丹念に儀式を行いました。
こうして「선잠」は、誠を尽くして美しさを生み出すという、祖先の生活態度を象徴する行為であり、空間であったのです。
そして今、その上に新しく生まれた「カフェ 선잠」は、その過去を現代につなげています。
空間的に再現された「선잠」の場で、カフェ 선잠は誠を込めてドリンクを作り、デザートを生み出します。
さらに、我々の生活全般に「선잠」を取り入れるため、飲食を超えて日常を豊かにする多様な製品を生み出しています。カフェ 선잠は、単なる空間や場所の再現ではなく、「선잠」の精神と姿勢を新しく描き出す空間なのです。
「선잠（Seonjam）」は、単なるカフェ以上の体験ができる特別な場所。
韓国の伝統にインスパイアされた空間で、コーヒーを片手にゆったりとした時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
ソウルの観光に来られる方はもちろん、在住の方にもぜひおすすめしたい一軒です。
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