はじめに ― 天然素材がもたらす「着るセルフケア」
40代からの更年期は、ホルモンの変化だけでなく、心や肌の敏感さも増す時期。
そんな時こそ、体に直接触れる「素材」を見直すことが、最も身近なセルフケアになります。
今回は、古来より人々の暮らしを支えてきたシルク・麻・コットンという3つの天然繊維を通して、心と体を整える方法を探ります。
シルク ― 女性ホルモンをやさしく包む「月の布」
シルクは、蚕の繭から生まれる動物性のタンパク質繊維。肌や髪と同じアミノ酸でできており、保湿力と再生力に優れています。
更年期に起こりやすい乾燥・かゆみ・冷えをやわらげ、自律神経を整える効果も期待できます。
特におすすめなのは、シルクのナイトウェアや枕カバー。
眠っている間に汗を吸収しながら、肌の水分を守り、翌朝の肌がしっとり整います。まさに「着る美容液」です。
麻 ― 風と太陽が通う「浄化の布」
麻(リネン・ヘンプ)は、通気性・抗菌性に優れた植物繊維。
更年期特有のホットフラッシュ(のぼせ・発汗)を快適にサポートします。
静電気が起きにくく、身体の電位バランスを整えるといわれるのも麻の魅力です。
リネンのブラウスやシーツは、心身の熱を穏やかに逃がし、風をまとうような軽さを感じさせてくれます。
神道では「麻」は浄化の象徴とされ、着ることで心がすっと整う感覚を与えてくれるでしょう。
コットン ― 安心と安眠をくれる「母の布」
コットンは、柔らかく肌にやさしい植物性の繊維。
更年期の敏感肌や、寝汗による不快感をやわらげ、心身をリラックスへと導きます。
やわらかな感触は、副交感神経を優位にし、穏やかな眠りをサポート。
綿のパジャマやタオルに包まれることで、「安心」と「ぬくもり」を感じられるのは、コットンがもつ母性的なエネルギーのおかげです。
素材別の特徴とケアのヒント
素材 | 作用 | おすすめシーン |
---|---|---|
シルク | 保湿・再生・冷え改善 | ナイトウェア/枕カバー |
麻 | 通気・抗菌・浄化 | ブラウス/寝具/夏のインナー |
コットン | 安定・吸水・安眠 | パジャマ/タオル/デイリー服 |
おわりに ― 「着ること」は「癒すこと」
肌に触れる素材は、呼吸するように私たちの体調と心に影響を与えます。
シルクで潤いを、麻で浄化を、コットンで安心を。
天然素材の服を選ぶことは、心身のバランスを取り戻す小さなセルフケアです。
今日から「何を着るか」を、“どう生きたいか”の延長として選んでみませんか。
次回は、女性ホルモンと深く関わる「シルク」にフォーカス。
美肌・冷え・心の安定をサポートする“月の布”の秘密をお届けします。
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