更年期に入ると、体が以前よりも「重い」「疲れやすい」と感じることはありませんか?
その背景には、ホルモンだけでなく慢性炎症(まんせいえんしょう)と代謝の低下が深く関係しています。
この記事では、炎症と代謝の関係をわかりやすく整理しながら、
心と体を「燃やしすぎず、枯らさない」ためのセルフケアを紹介します。
慢性炎症とは? ― 体の中でくすぶる“静かな火”
炎症とは、本来は外敵から体を守るための防御反応。
しかし、ストレス・糖質過多・睡眠不足などが続くと、「静かな火」のように炎症が持続し、細胞をじわじわと傷つけていきます。
これが慢性炎症と呼ばれ、ホルモンの変化が重なる更年期には特に起こりやすいのです。
炎症と代謝の関係 ― エネルギーが燃えにくくなる理由
慢性炎症が続くと、体は「修復」にエネルギーを使い続ける状態になります。
その結果、ミトコンドリアの働きが弱まり、代謝が落ちてしまうのです。
つまり、更年期の代謝低下は「年齢」だけでなく、
炎症による細胞エネルギーの消耗も大きな原因となっています。
自律神経が代謝を左右する理由
第2回でも紹介したように、副交感神経が優位になると体は「修復・再生モード」に入り、代謝がスムーズに働きます。
一方、交感神経が優位なままだと「炎症モード」が強まり、燃やしすぎて疲れる体質になります。
つまり、代謝のバランスはホルモンだけでなく、
自律神経のリズムによっても大きく左右されるのです。
炎症を鎮める食養生と抗酸化ケア
- ① 抗炎症の味方「発酵食品」
納豆・味噌・キムチ・ヨーグルトなど、腸を整える食品は免疫と炎症バランスを安定させます。 - ② 抗酸化成分を多く含む食材
ルイボスティー、黒豆、ベリー類、オメガ3系オイル(えごま油・亜麻仁油)など。 - ③ 白湯と温野菜で代謝を支える
冷たい飲み物を控え、体を冷やさないことも炎症ケアの基本です。
🩵 抗炎症のためのセルフケア実践
- 夜は湯船にゆっくり浸かる(38~40℃で10分)
- 朝、5分の深呼吸で自律神経を整える
- 毎日15分の軽いウォーキングやストレッチ
- 「ありがとう」を声に出す(副交感神経活性+セロトニン分泌)
これらの習慣はどれも「小さな抗炎症ケア」です。
続けることで、自律神経・代謝・免疫のリズムが整い、
体の奥からエネルギーが回復していきます。
🔗 関連記事リンク
- 第2回|更年期 × 自律神経 ― 副交感神経を高める呼吸と整え方
- 第1回|脳科学で読み解く更年期 ― 神経可塑性とホルモンの再配線
- 第4回|更年期 × 潜在意識 ― 思考パターンを書き換える脳科学メソッド
- 第5回|実践セルフケア編 ― 更年期を“再設計”する日常習慣
🪷 まとめ ― 炎症を鎮め、エネルギーを取り戻す
更年期の体は、単に「老化していく」のではなく、
エネルギーの使い方を再構築する時期です。
炎症を鎮め、代謝を支えるケアを日常に取り入れることで、
心も体も軽やかに動き出します。
次回は、意識の内側から整える「潜在意識と脳のリセット」についてお話しします。
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