第5回:着るセルフケア実践ガイド ― 布の処方箋|シルク・麻・コットンで整える更年期ライフ

整える暮らし

はじめに ― 「着ること」は心と体のセラピー

食べるものを選ぶように、着る素材を選ぶ。
それは、肌から始まるセルフケアです。
更年期という変化の時期に、体と心の声を聞きながら布を選ぶことは、自分を整える行為そのもの
本記事では、これまで紹介してきたシルク・麻・コットンの3つの素材を、目的別にどう使い分けるかを解説します。


シルク・麻・コットンの役割を整理

それぞれの天然素材には、異なるエネルギーと働きがあります。
シルクは「潤いと再生」、麻は「浄化とデトックス」、コットンは「安定と安心」。
この3つをうまく組み合わせることで、季節や体調の変化に柔軟に対応できます。

素材キーワード心身への作用
シルク月・潤い・女性性肌の保湿、冷え・乾燥の改善、リラックス
風・光・デトックスのぼせ・ほてり対策、通気、浄化
コットン大地・安心・母性安眠、心の安定、敏感肌ケア

季節と体調で選ぶ「着る処方箋」

その日の気分や体調に合わせて、素材を選ぶことが“着るセルフケア”の基本。
冷えを感じる日、汗ばむ日、疲れが抜けない夜…あなたの身体のサインに寄り添ってみましょう。

  • 冷え・乾燥が気になるとき:シルクのインナーや靴下で血流をサポート。
  • のぼせや発汗が強いとき:麻のシャツやパンツで熱を逃がし、風を通す。
  • 眠りが浅い・疲れが抜けないとき:コットンのパジャマやケットで深い安眠を。
  • 肌荒れやかゆみがあるとき:オーガニックコットン製品で刺激を最小限に。

1日の中で整える ― 朝・昼・夜のセルフケア例

  • 朝:麻のシャツで一日のエネルギーをリセット。風をまとうように深呼吸を。
  • 昼:コットンのインナーで仕事中のストレスを軽減。肌へのやさしさが集中力を支える。
  • 夜:シルクのパジャマで体温と水分を保ち、深い眠りへ。まるで月の光に包まれるよう。

一日の流れに合わせて素材を変えるだけで、身体のリズムが自然に整っていきます。
“何を着るか”ではなく、“どんな状態の自分を包むか”を意識してみてください。

お手入れと長く付き合うコツ

  • シルク:中性洗剤で手洗いし、陰干し。直射日光は避ける。
  • 麻:丈夫なので洗濯機OK。洗うほど柔らかく育つ。
  • コットン:やや低温で洗い、柔軟剤は控えめに。自然乾燥でふっくら。

素材を大切に扱うことは、自分の体を大切にすること。
布を通して、暮らしのリズムにも「やさしさ」を取り戻していきましょう。

おわりに ― 布が導く、新しい更年期のかたち

更年期は、終わりではなく“再生の季節”。
シルクで潤いを、麻で風を、コットンでぬくもりを。
自然素材と共に過ごす時間は、体と心を整える小さな儀式です。
あなたを包む布が、今日のあなたを整えてくれますように。


これまでのシリーズ(全5回)はこちら:

コメント

タイトルとURLをコピーしました