アロマ・香水・フレグランス ― 香りの種類と使い分け
香りにはいくつもの表情があります。
自然の植物から抽出されたアロマ(精油)、
人がまとうための香水、
空間を包み込むフレグランス(ディフューザーやルームスプレー)。
同じ「香り」でも、成分・目的・感じ方は少しずつ異なります。
今回は、それぞれの特徴と上手な使い分け方をやさしく整理してみましょう。
アロマ(精油) ― 植物のちからで心を整える
アロマ(精油)は、花・葉・果皮・樹脂などから抽出された100%天然の香り。
植物の持つ生命力が凝縮され、香りを通して心や身体に働きかけます。
- 主な使い方: アロマディフューザー、湯に垂らす芳香浴、アロマオイルマッサージなど。
- 目的: リラックス、安眠、集中力アップ、気分転換、抗菌・消臭。
- 特徴: 天然由来で優しい香り。心身のバランスを整える「癒し」の香り。
🩵 例:
ラベンダー(安眠・鎮静)/レモン(集中・リフレッシュ)/ティーツリー(免疫サポート)
香水 ― 自分を表現する香り
香水は「まとう香り」。
香料をアルコールや水に溶かして作られ、時間とともに変化する香りのストーリーを持っています。
- 主な使い方: 手首・うなじ・衣服の内側に軽くスプレー。
- 目的: 自己表現、気分の切り替え、印象づけ。
- 特徴: 持続時間が長く、トップ・ミドル・ベースノートの変化を楽しめる。
種類:
パルファン(濃度が高く長持ち)/オードトワレ(軽やかで日常使いに)/オーデコロン(爽やかで短時間)
香水は「その人の空気」を作ります。
朝の香りは背筋を伸ばし、夜の香りは心を緩める。
そんな“香りのスイッチ”を持つことが、心の安定につながります。
フレグランス(ディフューザー・ルームミスト) ― 空間を整える香り
フレグランスは、空間そのものを香りで満たすためのアイテム。
香りは空気の印象を変え、部屋のエネルギーを整えます。
- 主な使い方: ディフューザー、ルームスプレー、リネンウォーターなど。
- 目的: 空気のリフレッシュ、気分転換、来客時の印象づくり。
- 特徴: 持続は短めだが拡散力が高く、空間の「雰囲気」を即座に変える。
香りのタイプ例:
柑橘系(玄関や朝のリビングに)/フローラル(寝室や読書時間に)/ウッディ(書斎や夜の空間に)
🩶 香りは“空気の浄化”でもある。
疲れた日の夜、静かな部屋に心地よい香りを漂わせるだけで、
一日のストレスがやわらぎ、心の呼吸が戻ってきます。
香りの使い分け ― 自分のリズムに合わせて
香りは「TPO(時間・場所・気分)」で選ぶのがポイント。
その日の体調や心の状態に合わせて、香りの“チャンネル”を変えてみましょう。
時間帯 | おすすめの香り | 使い方 |
---|---|---|
Morning | レモン・ペパーミント・ユーカリ | アロマで空気をリセット/香水で軽やかに出発 |
Daytime | ジャスミン・ローズマリー | 香水で集中力をキープ |
Evening | ラベンダー・サンダルウッド・イランイラン | フレグランスで空間を包み、心を緩める |
香りは「まとう」「吸い込む」「漂わせる」という三方向から私たちに働きかけます。
バランスよく使い分けることで、心と体のリズムが整い、
香りが日常の小さなセラピーになります。
次回予告:
第3回「香りと身体の関係 ― エタノール・皮膚・脳・アレルギー」では、
香り製品の成分や健康への影響を詳しく取り上げます。
前回記事リンク → 第1回:香りは“見えないインテリア” ― 香りが心に届くしくみ
次回記事リンク → 第3回:香りと身体の関係 ― エタノール・皮膚・脳・アレルギー
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